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コラム

どうしたらいい? テレワーク社員の労務管理

テレワークでも
新入社員の教育はできる?

社員の働き方のひとつとして導入されているテレワーク。テレワークで新入社員の教育が実施できれば、企業にも新入社員にもメリットがあります。
この記事ではテレワークで新入社員の教育をするために、どのような施策が必要になるのかをお伝えします。

新入社員の教育をテレワークで実施するメリット

テレワークで新入社員の教育ができれば、新入社員と企業の双方にとって、さまざまなメリットがあります。

個別のサポートが効率的に行える

テレワークで新入社員の教育をする場合、通常はチャットツールやオンライン会議ツールなどを活用して、新入社員と教育担当者が直接つながることになるでしょう。
ツールを有効活用すれば、新入社員は質問や相談がしやすくなり、担当者も進捗管理が容易になるため、オンラインで効率的に個別サポートができます。

教育する側の負担が軽減される

テレワークによる新入社員教育は、受け入れる現場の負担も軽減します。動画やeラーニングなど、新入社員が自律的に学習できる教育プログラムを整備することで、新入社員教育にかかる人的な負担を大幅に軽減できます。
場所を問わず多様な学習機会を提供できるため、教育する側の負担を増やさずに、より公平な教育環境を実現できるといったメリットもあります。

場所の制約を受けずに交流できる

遠隔地からでもチームメンバーや上司とのコミュニケーションが取れるため、社内のネットワーク構築にも役立ちます。
忙しい幹部社員がウェブを通して直接新入社員とやり取りするといったコミュニケーションも可能にします。

教育にかかるコストを削減する

テレワークで新入社員教育を実施する場合、物理的に集合や移動が不要になるため、会場手配や設営にかかる費用、交通費、宿泊費などの費用が削減できます。
また、デジタル資料を再利用することで長期的な教材コストも削減できます。

新入社員教育をテレワークで実施する方法

オンライン教育をベースに、上司との1対1の面談や、先輩社員によるメンター制度などでフォローすることがテレワークでの新入社員教育のカギとなります。

オンライン教育

テレワーク環境で新入社員を教育するには、オンライン教育がベースになります。オンライン学習では多くの新入社員に同じ教育プログラムを提供できるため基礎教育にも適しています。
オンライン教育にはeラーニングの教材を活用する方法と、リアルタイムでオンライン研修を行う方法、またオンラインOJTがあります。

eラーニング

eラーニングは既に作成された動画や音声、テキストなどの教材を使用して、新入社員が自分で学習を進めるものです。
自学自習してもらうスタイルなので、ひとつひとつ教える手間がなく、忙しい職場でもeラーニングの導入は難しくないでしょう。
また自分のペースで学習を進めることができるため、新入社員にとっての利便性は高くなります。 ただし、学習内容の習熟度には個人差が発生してしまうため、フォローアップは必要になります。

オンライン研修

オンラインによる研修は、オンライン会議ツールなどを使って、講師が研修を行うものです。
双方向のコミュニケーションツールを活用し、質問や意見交換の場を設けることも可能です。
複数の参加者がオンラインで同時に研修に参加するため、情報共有とグループワークが可能になります。
離れた場所にいる複数の新入社員に同じ教育を受けてもらえるほか、多くの新入社員を一堂に集めるための会場手配の手間がかからないというメリットがあります。

オンラインOJT

対面でのOJT(On the Job Training)と同様、それぞれの職場で、実際の業務を通じて職務に必要な知識やスキルを身につけるものです。
これには、画面共有の機能を活用して、パソコンを使用した事務作業や、業務に使用するツールの使い方を教えたり、新入社員をオンラインでの顧客との打ち合わせに参加させ、取引の進め方や専門知識を実地で学んでもらう等の方法があります。
テレワークによる新入社員教育とOJTを統合することで、新入社員は理論と実践の双方を効率的に学ぶことができるため、スムーズな実務への適応が可能になります。

新入社員教育をテレワークで実施する際の留意点

多くのメリットがあるテレワークでの新入社員教育ですが、留意すべき点も少なくありません。

適切なフォローは必須

テレワークでの新入社員教育は、指導者や先輩社員が新入社員を直接観察することが難しいため、フォロー不足になりやすいという面があります。
新入社員に対するフォローが充分に機能していない場合、次のようなデメリットがあります。

  • 学習効果が見えない。
  • 新入社員が孤独感や不安感を抱いてしまう。
  • 組織への帰属意識が育たない、モチベーションの低下、早期の離職。

新入社員教育をテレワークで実施する場合、対面での実施とは違った形で新入社員に対してのフォローが必要です。チャットツールやビデオ通話などを活用して積極的にコミュニケーションをとることを意識するとともに、新入社員をフォローする体制や制度を整えましょう。

新入社員へのフォロー方法の例

  • 先輩社員が新入社員のサポートを行うメンター制度を取り入れる。
  • 定期的な1on1ミーティングを実施し、フィードバックを行う。
  • 社内SNSで情報共有やコミュニケーションの場として活用する。
  • 交流会、歓迎会、ランチ会などイベントを開催して交流を促進する。  

上記だけでなく、さまざまな方法を検討しましょう。

教育効果を担保する

教育の効果を上げるために、次のような対策が必要です。

  • 効果的な学習プログラムを検討し、個人に合わせた指摘やサポートをする。
  • 実務に近い状況で課題解決能力を向上させるため、ケーススタディやシミュレーションを取り入れる。
  • 理解度テストやアンケートなどで個々の学習進捗や理解度を定期的に確認し、必要に応じて個別指導を行う。

セキュリティ教育を徹底する

新入社員に対するセキュリティ教育もしっかり行う必要があります。

  • 情報セキュリティの定義やその脅威など、基本的な知識を習得させる。
  • 情報セキュリティに関する規定やセキュリティポリシー等、社内のルールを周知徹底する。
  • 業務で使用するデバイスやネットワークのセキュリティ対策を指導する。
  • コミュニケーションツールの適切な利用方法を指導する。 等

リアル研修とのハイブリッドを検討する

テレワークによる新入社員教育は、リアルな対面型の研修と組み合わせることで、より効果を発揮します。
テレワークでは業務の知識やスキルを中心に学習させ、リアル研修ではチームワーク強化やコミュニケーションスキル向上に重点を置くなど、それぞれのメリットを活かして、教育効果を最大化させる方策を検討してみましょう。

まとめ

テレワークで新入社員教育を行う方法についてお伝えしました。
オンライン教育の内容や充実度にとらわれてしまいがちですが、テレワークでの新入社員教育を成功に導くには、新入社員が孤立感や不安感を感じないよう、受け入れ側が積極的にコミュニケーションをとることが重要です。
テレワークでの新入社員教育にはコスト削減効果や、研修を実施する側・受講する側ともに場所の制約から自由になるなどのメリットもあります。ぜひ、実施を検討してみてはいかがでしょうか。

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