テレワーク＝自宅で働くこと、ではありません。外出先・移動中やカフェで働くこと、サテライトオフィスで働くこともテレワークの一種です。今回は自宅以外のテレワークスペースのひとつであるサテライトオフィスについて解説します。

サテライトオフィスとは？

サテライトオフィスは、企業または団体などの本拠から離れた場所に設置されている仕事場所のことです。本拠を中心に見て、衛星（サテライト）のように存在するオフィスという意味から名づけられました。

サテライトオフィスが注目される理由

コロナ禍を機にテレワークを導入する企業は増加しました。
その一方で、在宅勤務では「家族がいて仕事に集中できない」、「オンとオフの切り替えが難しい」、「自宅の通信環境が整っておらず作業効率が低下する」、「プリンタやスキャナ等のオフィス機器が使えず不便」、「机や椅子が仕事に適しておらず疲れがたまってしまう」等といった声も聞かれるようになりました。こうした中で、会社や自宅以外の第３の仕事場所として、サテライトオフィスが注目されるようになりました。

サテライトオフィスの種類と特徴

サテライトオフィスにはいくつか種類があります。「契約形態」と「立地」の面からそれぞれ見てみましょう。

契約形態による分類

・専用型
自社・自社グループ専用として利用するサテライトオフィスです。
自社の企業文化や雰囲気はそのままに従業員に働きやすい場を提供することができる点や、個人情報や機密情報を取扱う業務でも高いセキュリティを確保できる点がメリットですが、設置・運営コストは高くなります。

・共用型
民間事業者などが運営し、複数の企業の従業員が利用するサテライトオフィスで、シェアオフィスやコワーキングスペースとも呼ばれます。
さまざまな業種・業態の人がひとつの場に集まるので、他企業との交流によって新しいビジネスアイデアが生まれたり、協業の可能性も広がります。
コストを抑えてテレワークの場を確保できる一方、オフィスを他企業と共有して使うため、セキュリティの確保には注意が必要です。情報管理・セキュリティ環境が整っている事業者と契約するとともに、自社側でもセキュリティ対策を行うことが大切です。

立地による分類

・都心型
都市の中心部、いわゆるビジネス街などに位置するサテライトオフィス。
顧客先に近いサテライトオフィスを利用することで、商談の空き時間を有効活用でき、迅速な顧客対応や帰社のための移動時間の削減が可能となり、業務効率化が図れます。

・郊外型
郊外の住宅地近くに位置するサテライトオフィス。
職住近接での勤務が可能になり、通勤負担の軽減等により育児や介護等との両立もしやすくなります。
また、自然災害等で交通機関の遅れや運休が発生し通勤が困難になった場合でも、自宅近くのサテライトオフィスで勤務を継続できるなど、BCP（事業継続計画）対策としても有効です。

・地方型
地方都市など本拠から見て遠方に位置するサテライトオフィス。
地方在住の従業員がテレワークで活用するほか、出張時に立ち寄って仕事をするなどの利用もできます。
地方型サテライトオフィスを設置することで、地方在住の優秀な人材を雇用したり、家庭の事情などで転居せざるを得ない従業員の雇用継続ができるといったメリットがあります。

まとめ

今回はサテライトオフィスについて解説しました。
さまざまなメリットがあるサテライトオフィス勤務ですが、導入には、コストや立地、セキュリティの確保など、押さえておきたいポイントもあります。
自社の目的に応じて、サテライトオフィスの活用を検討してはいかがでしょうか。

東京都では、サテライトオフィスの活用推進に向けて、以下のような事業を行っています。ぜひご活用ください。

◆TOKYOテレワーク・モデルオフィス
サテライトオフィスを体験しメリットを知っていただくため、都が府中、東久留米、国立に設置しているサテライトオフィスです。
都内在住または在勤で、企業等で働く方（個人事業主を含む）に、6か月限定で無料でご利用いただけます。

◆TOKYOシェアオフィス墨田
テレワークによる従業員の柔軟な働き方を推進していくために東京都が開設し、公益財団法人東京しごと財団が運営するサテライトオフィスです。
コワーキングスペースや個室、会議室、レンタルオフィスなどご利用シーンに合わせて利用可能です。利用料は30分税込165円〜です。

◆「TOKYOテレワークアプリ」

東京都が作成した「TOKYOテレワークアプリ」では、都内にあるサテライトオフィスを検索することができます。
地図上で、今いる場所の周辺にあるサテライトオフィスやコワーキングスペース、ワークスペースとしても利用できるカフェなどを簡単に探すことができます。